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1 本誌沿い 春・夏・秋・冬

四巡目【夏】  沙希color

私は陛下と、避暑にむかう。
少し涼しい、山間の離宮。

陛下と二人、馬に乗って。
仲睦まじいふりだから。

二人乗りのとき、急な斜面でこっそり、抱きつく力を強くする。

それくらいなら、いいかな?

それくらいなら、ばれないかな?

そんな風に思いながら。

「夕鈴?」

私は目を瞑って、思い切り陛下にしがみついてる。

「馬、止まってるよ」

言われるまで、陛下の香りで気付かなかった。

「怖かった?」

頷こうか、首を振ろうか。
一瞬迷って、首を振った。

「よかったぁ」

陛下がぴんと伸ばしていた背筋を丸めて、すっかり小犬の表情で笑う。

「ほら、向日葵畑が綺麗なんだ」

あたり一面に黄色い花。
風がふわりと、二人の間を駆け抜ける。

私は流されまいと、慌てて頭の髪飾りを抑えた。

ふわりと視界が揺れて、陛下の腕に飛び込んでしまう。

「大丈夫?」
陛下が、しっかり私の体を抱きとめた。

なんだか、抱きついてばっかりね。

心臓がばくばくするのに
私は陛下から離れられない。

――好き。

―――大好き。

一面に広がる明るい色に
背中を押されるのは気のせいかしら?

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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

1 本誌沿い 春・夏・秋・冬

四巡目【秋】  さくらぱんcolor

「陛下。
そんなに見つめないでください。」

ほんのりと頬染めて
呆れたように、呟く夕鈴。

「珍しくもないのに、
よく飽きませんね……」

「だって……
面白いよ、夕鈴。」

クルクル……と、
夕鈴の手元で瞬く間に綺麗に剥かれていく梨は、
細く長い皮を、蛇のようにとぐろを巻いて……お盆へと落ちる。

果物を剥いて食べることなど、
僕は自身ではしない。

戦場で、梨などは皮ごと食べるのが普通なのだ。
今では王となり、果物は剥いて食卓に出される。

こんな風に目の前で、自分の為だけに、剥いてくれる姿を目にすることは無い。
それが、他でもない大好きな夕鈴だから……

「はい。
陛下、剥けましたよ!?」

四つ割りにして、食べやすいサイズに切った梨を
夕鈴は、手元にある器に入れようとした。

「……待って!」

僕は、夕鈴の手首を取り
梨を僕の口元へと寄せた。

カシャ…

歯触りの良い音を立てて…
瑞々しく甘い梨を
夕鈴の手元から、直接食べた。

「うん。
甘くて美味しいね♪」

「……っ!
へいかぁ!?」

一瞬、動きを止めた夕鈴。
火がついたかのように、かぁぁぁぁっ・・・と、顔が赤くなった。

僕は構わず、二口目を齧る。
その時、僕の歯が、夕鈴の柔らかい指先をかすめた。

「陛下、ちゃんと受け取ってください。
ご自身で食べられるでしょう?」

益々、真っ赤になって
しどろもどろに、抗議する夕鈴。

可愛い……
ますます困らせたくなる。

好きという気持ちが加速する。
可愛い顔を、もっと見せて…・・・・

僕は意味深な視線で、夕鈴を見つめたまま…
三口目を頬張る。

「君の手ずから食べた方が、美味い。
それに…………」

「それに!?」

「こうしていると、本物の家族(夫婦)みたいだ…」

夕鈴の柔らかい指先についた甘い汁を
僕は、ゆっくりと舐めとった。

君は、恥ずかしがり…
手を引っ込めようとするが……

逃がさないよ、夕鈴。
逃がすわけが無い。

「夕鈴。
おかわり!」

君が剥く どんな果実も
君という果実には適わない。

甘く蕩ける、魅惑の果実

いつの日か、夕鈴。
君という果実を食べる日を楽しみにしよう!

瑞々しく 初々しい
甘く柔らかな僕だけの果実

今は、まだ味見だけで我慢しよう。
きっと、その日は遠くない未来。

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

1 本誌沿い 春・夏・秋・冬

四巡目【冬】  さくらぱんcolor

真夜中から降り始めた雪は…
漆黒の夜空から

キラ…
キラ……と

音も無く、舞い散る。

「ゆーりん、寒くない?」

「へーきです!」

「ホントに?」

そう言って、
陛下は私の手をとった。

「……冷え切ってるよ!?」

いつまでも頼ってくれない夕鈴に 少し淋しげに微笑んで、
陛下は、ギュッと冷え切った手を握って暖めてくれた。

「こうすれば、君も僕も暖かい。」

「…あ……ありがとうございます。」

キラキラ……と煌めく雪は、
私達の足跡を消して、尚も降り積もる。

穢れ無い純白の雪に、
黎翔と夕鈴の二人を閉じ込めて……

陛下が、しっかりと握り締めてくれる温もりが、心地良い。
わずかに触れた右肩からも、陛下の体温。

私の頬が熱いのは、気のせいじゃないよね。!?
陛下を意識しつつ……

夕鈴は、火照る頬を凍てつく外気に晒し
舞い踊る雪を見上げて

ほおっ……

熱の篭ったため息を、夜空に吐着だした。
瞬く間に、白く凍りつく吐息。

「よく降るね……
今夜は、積もるな……」

少し憂いた横顔の陛下は、
民を思う王の顔。

そんな陛下を、 少しだけでも慰めたくて…
夕鈴は、繋いだ手をギュッと握りしめた。

「あまり積もらないといいですね……」

「そうだな……」

夕鈴が握った手を
陛下が握り返してくれた。

二人、雪が降る夜空を見上げて、それぞれにを思う。

深々と雪が降る。

黎翔は、民を

夕鈴は、愛する人を

二人重なり、すれ違う想いを閉じ込めて。

溶けることの無い
君への想いを閉じ込めて……

“きっと、大丈夫。
君が居るから平気。”

想いを繋ぐ手のひらと手のひら
しっかりと繋いだ絆は、決して切れない。


今宵、夜空に雪が舞い散る。


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