【幕間・李翔SIDE】
夕鈴がいなくなった瞬間の恐怖を、私はうまく言葉にできない。
見つけたと思えば、夕鈴はまた、すぐに私の腕からすり抜けていった。
“ごめんなさい”
そう呟いた夕鈴の声が、私の中で何度も繰り返される。
残された私の前には、君の幼なじみの彼。
夕鈴が彼に「よろしく」という声は、私の耳にもはっきりと届いていた。
それだけでギリギリと全身が苛ついて、思わず剣に手をかけてしまう。
なんで私をもっと頼ってくれないんだ。
夕鈴にとって、私はその程度の存在なのか?
信用できない?
ーーそんなはずはない。
私はずっと夕鈴のことを守ってきたし助けてきたはずだ。
夕鈴には、人に頼るという発想がない。
だから、自分は頼られない。
でも、ソレがわかったところで、私の気持ちが落ち着くわけではなかった。
まあ、傷ついた様子がなくて、何よりか……。
夕鈴がちゃんと生きて、下町にいる。
まずは、そのことを喜んで。
次には君を、迎えに行こう。
帰ったらお仕置きだから。
ね。ゆーりん?
覚悟しておいて。
夕鈴がいなくなった瞬間の恐怖を、私はうまく言葉にできない。
見つけたと思えば、夕鈴はまた、すぐに私の腕からすり抜けていった。
“ごめんなさい”
そう呟いた夕鈴の声が、私の中で何度も繰り返される。
残された私の前には、君の幼なじみの彼。
夕鈴が彼に「よろしく」という声は、私の耳にもはっきりと届いていた。
それだけでギリギリと全身が苛ついて、思わず剣に手をかけてしまう。
なんで私をもっと頼ってくれないんだ。
夕鈴にとって、私はその程度の存在なのか?
信用できない?
ーーそんなはずはない。
私はずっと夕鈴のことを守ってきたし助けてきたはずだ。
夕鈴には、人に頼るという発想がない。
だから、自分は頼られない。
でも、ソレがわかったところで、私の気持ちが落ち着くわけではなかった。
まあ、傷ついた様子がなくて、何よりか……。
夕鈴がちゃんと生きて、下町にいる。
まずは、そのことを喜んで。
次には君を、迎えに行こう。
帰ったらお仕置きだから。
ね。ゆーりん?
覚悟しておいて。
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