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倉庫

16.  好きなのに……とある関係6  大人風味 砂上color

朝の政務室は冷えきっていた。

朝の爽やかな空気を纏うはただ一人。
普段より少しだけ着崩した襟元から覗く、愛らしい歯形を見せびらかし普段の倍仕事をする人はこの国の王。

「…陛下。服を正して下さい」
「男ばかりで暑苦しい」
「政務中です。暑苦しいのは我慢して下さい」
「賓客が来るでもない。気にするな」

ただ、その隣が冷えていた。
仕事はするが、閨の後を見せびらかす王に、頬がピクピクと痙攣し、今にも吹雪が吹きそうな程に一人暗雲を纏っていて、それが一官吏に伝染していた。特に、独り身の官吏に。

「だから、政務中です!」
「政務はしている。それとも、お前は着直す変わりに政務が溜まっても構わないと言うのか?」
「そういう訳ではっ!」
「なら、多少は多めにみよ」

勝ち誇ったように笑う王はそう言いながら、更に襟元を広げた。そこから、覗くは先程と同じ歯形と紅い花々。
それを直視した補佐官は固まり、もう一人の補佐官は何事もなく室を出ていった。
そして、側近は…

「風紀の乱れです!直しなさい!」

吹雪どころでない冷気を吹きさらしていた。
その冷気に官吏達はそそくさと端により、見ないことにして政務を再開し、心の中だけで側近の言葉に頷き。

「男ばかりで風紀、か」
「………」
「何を言おうとも、独身の僻みにしか聞こえぬな」

その一言に、ぷつり、とキレた。

散々日頃から夫婦中を見せつけられ、されども政務に追われる日々の自分達。なのに、そんな忙しい中一人、可愛く気配りの出来る、優しいお嫁さんを持つ王。
自分達の頑張りが足りないのだと言われても、納得出来ないものがある。
自分達だって可愛いお嫁さんが欲しい。お疲れ様と労って欲しい。なにより、癒されたい!

ゆらり、と動いた側近は低く笑い出すと…

「… 何か、仰いましたか?」
「………」

王の机にドンッ!と山の書簡の束を置いた。
それは急がなくてもいい書簡の山。だか、早いことには越したことはなくて。

「もう、構いませんよ?但し、今日中に此方の書簡の処理もお願いしましたよ?あぁ、新婚でやる気の漲っている陛下には足りませんよね。周宰相にもお声掛けしておきましょう。……帰れると、思わないで下さいね」
「り、李順、流石にこれは以上は…」
「服を着直すのが億劫な程に、やる気が漲っているのでしょう?なら、出来ますよね?と、言いますか、するまで帰しませんから」
「すまな―」
「今日は私と熱い夜を過ごしましょう。一晩中お付き合いいたしましょう」
王の肩に手を置き、清々しく笑う側近の姿に政務室には拍手が沸いた。
流石、陛下です!口々にそう言いながら、心の中だけでなく顔にも歓喜が溢れていた。

退くに退けない状況に今度は王が冷気を纏い、終わったら絶対兎を堪能しようと心に決め、筆を手に取った。


後宮で羞恥に熟れた兎は新たな試練が待っているとは知らず、だが嫌な予感に頭を抱えた。
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  • 2014年04月10日 (木)
  • 13時16分14秒
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