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2 李順の休暇

【IF臨時花嫁】李順の休暇3

黎翔が不機嫌に人を遠ざけ妃私室に向かうも、夕鈴は不在だった。

急ぎ侍女に話を聞くと夕鈴は老師と勉強中だという。

「…掃除婦バイトか」

急ぎ黎翔は立ち入り禁止区域へと向かった。

「夕鈴」

「陛下っ!どうされたのですか?今は宰相殿とお話されているはずの時間では?」

「とうに終わった。今日の政務は終いだ」

「さすが陛下!お早いですね。方淵殿もさぞ…」
「何故そこで方淵の名前が出てくるのだ。君は私の妻だろう」

へ、陛下ご機嫌が悪い?

「朝、方淵が妃私室へ入ったと聞いたが」

「はい」
「何故、入れた」

「李順さんも普通に入ってきてましたし、臨時とはいえ側近ですから、そのようなものか…と」
「何をしている。君は私の妃なのだ。方淵など勝手に部屋にいれるな」

もしかして、陛下…ものすごぉく、怒ってる?

狼陛下の怒気に当てられ、夕鈴は蒼ざめた。

「失礼ながら、陛下。私は失礼致します。バイト娘が随分、怯えておるように見えます。ごゆっくりお話しくだされ」

老師の言葉に黎翔がはっとして夕鈴の顔を見ると、すっかり身を固くしている。

「ああ!ごめんごめん!怖かったね!ごめんね!ちょっと、お仕事頑張りすぎちゃったみたいで疲れてたんだ」
「お疲れなのですか!陛下!それならすぐおやすみに…」
「だいじょーぶだいじょーぶ!夕鈴の顔見たら元気でたよ」

「そうですか!よかったです!ところで陛下…」
「どうしたのゆーりん」
「あの、ちょっと距離が近いのですがっ!!」

「近いの…だめ?」

「あのあのっ!ダメっていうか…。私!今埃っぽいと思うんです!!」

「あははっ!気にしすぎだよゆーりん!」

「笑い事じゃないです!」

「そう?それより早く部屋、戻ろう?埃っぽいのが気になるなら、一緒に湯浴み、する?」

「………………」

「へ…陛下。やっぱり怒ってます?怒ってるからそうやって私のこと困らせるんですか?そうですね?ごめんなさい」

夕鈴の目が瞬く間に見開き、中に水が溜まって行く。

「ごめんなさい陛下。でも私!分からないんです!なんで陛下が怒ってるのか」

溜まった水が夕鈴の大きな目から零れ落ちる。

「だから、陛下悪いところがあるなら治します!ちゃんとおっしゃってください!」

「それとも呆れてこんなバイト妃にいうことはないということでしょうかっ⁈」

「夕鈴。ちょっと落ち着いて。ゆっくり話そう。椅子がないから床になっちゃうけど、座ろうか。夕鈴がぴかぴかに磨いてくれたからここでもいいね」

そういって黎翔は少し眉尻を下げて微笑んだ。

「おいで」

両手を出して胡座をかいた膝の上に夕鈴を乗せ、お腹に手回し、夕鈴の耳もとでゆっくりと喋り始めた。

「本当に怒ってはいないんだ。ちょっとヤキモチ焼いちゃっただけ」

「方淵と夕鈴普段から仲良いから、旦那の僕としてはちょっと複雑で、びっくりしちゃっただけだよ」



「いえ、私こそ取り乱しちゃってごめんなさい、へーか…」

本当に陛下はバイト妃に優しいわね。

「落ち着いた?じゃあ着替えて夕餉にしよう?」

陛下は私を膝上から降ろし、立ち上がった後、まだあまり足に力を入らない私に手を伸ばして立たせてくれた。

「でも!僕にヤキモチ焼かせたお詫びに夕餉は食べさせてもらおうかな!」

「えっ陛下!それってお詫びなんですか!」

「お詫び、だよ?」


そういって笑う陛下の顔は、やっぱり私には毒だった。
そして、そんな笑顔の陛下に、私は逆らえるはずもなくーーー。



次の日ーーー。

また朝早く陛下は妃私室へやってきた。

「ゆーうりんっ」

「またですか!陛下!」

「李順の休暇中は毎日、一緒に朝ごはん食べようと思って!着替え、手伝ってあげようか?」

「昨日も!お断りしましたよね!」

「今日は、手伝ってもらいたい気分かなーと思って?」
「そんな気分なりませんから!」

そして、やっぱり陛下は夕鈴が扉を開けると、すぐ目の前にいたのだった。

そして今日も慌ただしく朝餉をとり、黎翔は朝議へ向かう。

しばらくすると方淵がやってきた。

どうして今日も方淵殿がくるの⁈
昨日陛下怒らせちゃったのに‼︎

「お妃様、失礼いたします」
「ちょっと待ってください!方淵殿‼︎」

「何か不都合でもお有りなのか」
「いえ、あの〜」

「なんだ」
「昨日、陛下酷くご機嫌が悪かったでしょう?」

「だからどうしたというのだ」

「方淵殿を私の私室へ入れたのが気に入らなかったみたいで…。今日は扉越しのお話し、ということにできないでしょうか…」

「私が妃の部屋の前で話など、見る人がみればどんな噂になるかわかったものではない!」

方淵の声が少し大きくなった。

「不本意だが、陛下には妃私室へ入ったとは言わないので、失礼する」

方淵はそういうと扉を開けて入ってきた。

まあ、陛下に言わないなら、大丈夫…よね?

「昨日、貴方から頼まれた厨房使用の件は話がついた」

言いながら方淵は懐に入れていた陛下の予定表を取り出す。

「陛下がお時間を作れるのはここのところだ。ただ、貴方が一緒に休憩できるような時間はないからな!厨房はその前、昼過ぎに手配してある。ああ!忌々しい。なんで私がこのような手配をしなければならんのだ!」

「ほお、私の妃と話すのは忌々しいか、方淵」

気がつくと後ろには気配を消した狼陛下が立っていた。

「「陛下っ⁈」」

夕鈴と方淵の声がちょうど同時にでた。

「同時とは仲が良いな。妃。方淵」

夕鈴と方淵の顔色が見る間に蒼ざめてゆく。

「妃よ、方淵を部屋に入れぬよう、言わなかったか?」

「も…申し訳ありませんっ‼︎陛下」

「方淵、仮にも我が寵妃の部屋に入るなど、無礼とは思わんのか」

「しかしっ…!」

「元気が良いのも結構だがな方淵。明日から来なくても良いのだぞ?」

陛下…本気だ。
夕鈴は陛下の鋭い目つきで、はっきりとわかった。

「陛下っ‼︎申し訳ございません。この度のことは全て私の落ち度でございます!処罰は私が如何様にも受けますので、どうか方淵殿は処分なさらないでくださいませ!陛下の優秀な家臣ではございませんか!」

陛下へと走り寄り腰に手を回しながら嘆願する。

「……命拾いしたな、方淵。妃にこうも泣きつかれては仕方あるまい。今日は1日妃と過ごす。政務はそちらでどうにかしておけ」

方淵苦虫を噛み潰したような、ひどい顔色になった。

「畏まりました、陛下」
「私の機嫌が変わらぬうちに政務をしろ。あと、今日の厨房の件はなしだ」

「では、失礼いたします」



続く
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