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2 李順の休暇

【IF臨時花嫁】李順の休暇4

部屋の中に気まずい沈黙が満ちる。

「陛下っ!」

夕鈴は思い切って声をかけた。

「ゆーりん」

黎翔は明るい小犬の表情だ。

「陛下」

「ゆーりん、僕今とーっても怒ってるんだ」

と、最初は見えたし確かに笑っているけれど、背後にどす黒い何かが、見える。

「なんで、お嫁さんが僕じゃなくて方淵の味方、するの?」

「えーと。あの、陛下…」
「そうだ、ゆーりん、処罰は代わりにゆーりんが受けるんだよ、ね?」

「は…い。たしかに…そう、いいまし」
「だよね!いったよね!夕鈴になにしてもらおうかなぁ!」

あれ?なんか一転して機嫌良い?

ニコニコ顏の小犬は紙を広げ、お嫁さんにして欲しいことリスト、を書き始めてしまった。

「どうしたの?ゆうりん。まさか、お嫁さんにないがしろにされたお詫びがひとつ。なんて思ってないよね?」

夕鈴は恐る恐る、流麗な文字で埋め尽くされて行く用紙を見る。

・膝枕でお昼寝
・一週間朝餉昼餉夕餉は全部食べさせてもらう
・夜は一緒の寝台で眠る
・新しい衣装と宝飾品を仕立てる
・寝る前は夕鈴の方から口づけをする
・政務中は目の届くところから離れない
・一緒に湯浴みをする
・朝の着替えをお互いに手伝う
・僕以外の人間と口をきかな「えっ!ちょっと!まだあるんですか⁈」

「だって、李順が戻ってくるまでまだまだ時間、あるよ?」

「これ…本当にするんですか⁈」

「今2日目だから、今日入れて6日間だけでいいんだよ?僕、およめさんには優しいからね!」

「でも、これは…本当のお妃様とするべきこと、では?」

「じゃあゆーりんはしてくれないの?なんでもするっていうのは嘘?」

「でも、口づけとか、湯浴みとかぜったいぜったいぜーったい、無理ですっ!」

夕鈴はその様を想像したのか見る間に真っ赤になっていく。

「仕方ないなぁ夕鈴は」

「許してくださるんですか!」

夕鈴の顔が見る間に明るくなっていく。

「1日一緒に下町散策。夜は泊りで一緒の寝台で休むこと。夕鈴からの口付けは…いいや!」

「ありがとうございます!!」

夕鈴はこれなら自分にもできそうだと飛びついたあと、だんだん表情を暗くした。

「あの、陛下、ご政務は?」

「明日は朝議に出られるように朝一番で帰るし、今日は方淵に任せたから大丈夫!方淵優秀だから、1日くらいはちゃんと、どうにかしてくれるよ!」

「じゃあ、行きましょうか!」

夕鈴も少しは方淵が可哀想とは思ったが、勝手に入ったのは自業自得だし、仕方ないわね!と割り切ることにしたのだった。



「へ…李翔さん!買い食いばかりしていたら昼餉が食べられなくなってしまいます!」

「大丈夫!ゆうりんのお料理は別腹、だよ?」

「そんなこといって。残したら承知しませんよ李翔さん!」

「だいじょーぶ、だよ?」
李翔さんは喋りながらまた饅頭を1つ口に入れる。

下町におりて、夕鈴が陛下…今は李翔に、したいことを確認したところ、夕鈴のバイトのない日にすることを一緒にして見たいというものだった。

そして今は市場で昼食用の買い物の真っ最中、のはず…なのだが。

李翔は露店で気になる庶民の食べ物、主にお菓子を買い漁り、なにかと高価なものを夕鈴に贈ろうと企て、材料に至っては高いものの方が美味しいのではないか、といって譲ろうとしない。

「ゆーりん。この髪飾りはどう?」
「李翔さん!それより今は大根の特売です!!」

「ゆーりん?これは僕への罪滅ぼしなんだよ?わかってる?あんまり逆らったら方淵を降格…」

「あーもうわかりました!」

夕鈴はまだ午前だというのに疲れ切っていた。

「1個だけです。1番似合うの選んでくださいね?」

「やったー!ついでに下町の服も1着、贈らせて、ね?」
「ちょっと李翔さんなに増やしてるんですか!」

「やっぱり方淵は地方で修行…」
「あーもう!わかりました!下町衣装ですからあまり高級なものはダメですからね!」

「髪飾りは仕事中も身につけられるような…」

「ダメです!」

幻の小犬の耳が見る間に垂れ下がって行く。
「ダメ?お嫁さんにはいつも可愛くいてもらいたいんだけどな!」

「こんないきそこない可愛いなんていうの李翔さんくらいですよ!」

「ゆーりんは可愛いよ?」

「ほら、こっちおいで?衣装選びだ」

そういって李翔は当たり前のように夕鈴の手を取り、細い路地を進んで行った。

「李翔さん、こんなお店知ってたんですね」

「僕が下町に出るときの服はいつもここで買うんだ」

店内には男物女物を問わず様々な衣類と雑貨が所狭しと並べられ、値段もそこそこ、品質はさすがお忍びとはいえ陛下が買い物する店、である。

「いらっしゃいませ。まぁ、李翔さん!お店に女性をお連れなんて初めてですね!」

明るい声が響く。
年の頃は夕鈴より10歳ほど年上だろうか、特別美人とは言えないが、上品そうな女性が話しかけてきた。

「こちらの女性に新しい服を一式選んでください」

「まぁまぁ可愛らしい御嬢さん!どういったイメージでしょうか?」

「全ておまかせでお願いします。僕の隣に立った時、似合いの夫婦に見えるように。新しい服は直ぐに着ていきます」

「ちょっとへい…李翔さん!似合いの夫婦って!違うでしょ!」

夕鈴は顔を真っ赤にして言う。

陛下は夕鈴の肩を抱き寄せ耳元そっと話す。
「今日1日、君は僕のもの、だろう?」

ーーーへっへっ…陛下〜近いっ!!

夕鈴は飛ぶように李翔のそばをはなれ、店員のすぐ横に並び立った。

その様を見た店員はくすくすと声を立てて笑っている。

「十人が十人とも振り返るような素敵なご夫婦になることを、私が保証いたします」
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  • 2014年06月26日 (木)
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