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1 本誌沿い 春・夏・秋・冬

三巡目【夏】  おりざcolor

緑滴る川縁。

狭い山道を歩くのに手を引かれだなんて。
まるで子供みたいで恥ずかしいのに。
陛下ときたらお構いなし。

「陛下、まだ遠いんですか?」
「もうちょっと」
がんばって。と笑いながら、陛下はゴツゴツとした石の上をスイスイと渡る。

「…あれ? 道が――」

突きあたりは山肌で、道が途切れている。

ふと脇を見ればつるの絡まった古い道標があって、
指し示すところ、沢づたいの側道は渓流を渡った向こうへと続いているらしい。

「ここは川を渡るんだ。
なんだか飛び石みたいだね。
――足元が悪いから、ゆーりん、気を付けてよ?
…なんなら、抱えてゆこうか」

そう言われた途端ぐらりと態勢を崩してしまう。

(っ…!)

ピン、と腕が伸びたと思ったら
こんどは長い腕が私の背中に巻き付いて
あっという間に腰を支えられて。

「――へーか。
…近いです」

「そう?」

萌いづる若緑の葉ごしにチラチラと陽光が踊り、
陛下の瞳の色は万華鏡のように色を変える。

そんなに近くに陛下のお顔があるというだけでも恥ずかしいのに。
汗ばんだ背中に手を回されて、強く抱きしめられると
もうどうしていいのかわからない。

「そんなにくっつくと、暑くて
気持ち悪いんじゃないですか?」

「気持ち悪い―――?」
キョトンとした表情で見返される。

「だって、私汗かいて、ベタベタで…」

「――そんなことないよ?」

陛下はそう言ってくださるけど、きっと気持ち悪いと思う。
思わず手を振りほどこうとしたのに
陛下は逆に指を絡めてもっときつく握り締めた。
「だ、…やっ!」

もう片方の腕を回されて
二人は密着して…首筋にさらりと陛下の黒髪が触れる

「ダメなの?」

吐息がかかる。
陛下が私の首筋に顔を埋めて…なんてこと――!?

「ダメ、とかなじゃくて。
ぜったい、汗臭いですから!」

「君はいつだって
よい香りがする」

陛下は嬉しそうに、ますます密着する。

「…は、ず…かしいから
――離しーてーくーだーさーーーい…!」

ジタバタ必死に抵抗すればするほど、陛下は面白がってますます…

(ぜったい、やりすぎてる――この人っ!!)

その時。
「陛下、お戯れは、たいがいに―――」
背後から李順さんの声がした。

陛下私を抱きかかえたまま

ボチャン

と川に落ちた。




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  • 2014年09月11日 (木)
  • 14時18分42秒
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