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7 【鍵】 今宵、月が消えるまで

今宵、月が消えるまで……1 さくらぱんcolor

春・夏・秋・冬  大人風味

DSCN4747-700-1-50.jpg
(撮影・さくらぱん)

「……ゆうりん」

囁かれた夢の中。

“ギシッ……”
軋む寝台の傾きに、目が覚めた。

目の前に、月明かりに浮かぶ人影。
見下ろす紅い瞳とかち合った。

「……へーか?」

まだ寝起きの頭は、まだ状況が飲み込めていなくて、
舌っ足らずな呟きで、見下ろす人の名を呼んだ。

「起こしてしまったか?」

優しく揺り起こすような囁きに、夢でないことを知る。
何度、一人で眠れぬ夜を過ごしたことだろうか?

臨時花嫁だった頃の自分と
この国の国王の本物の妃となった自分。

何一つ過不足なく変わらない生活ではあるが、
陛下との距離は、劇的にかわった。

愛する人との心の距離。
手に入れるはずが無かった……彼の心。

「へーか。
おかえりなさいませ。」

眠たげにではあったが、この国に捧げた夫を
私は、ふわりと笑って労った。

「夕鈴、ただいま。」

チュッ…

軽く触れた唇から
零れた吐息。

「……ただいま。
僕の奥さん。」

優しく笑みかえしてくれる
愛する人を私は、優しく抱きしめた。

「おかえりなさいませ。」

「すっかり目が覚めたみたいだね。
夕鈴、お月見しようか?」

「……お月見ですか?」

まん丸な瞳で不思議そうに見つめる私を、寝台に残して……
陛下は、寝所の窓を開け放した。

冷たい夜気と共に、冴えた望月。
いつもより金色に見える綺麗な月が輝いていた。

「綺麗なお月様。」

思わず呟いた言葉は、陛下の耳に届いた。

「今夜は、満月なんだ。
さっき気付いてね。」

「起してしまったのは、申し訳なかったが……
君と一緒に見れて嬉しい。」

月明かりに影になって、陛下の表情は見えないけれど
弾むような明るい声に、嬉しげに微笑む様子が浮かんだ。

私は、陛下の言葉に嬉しく思う。
寝台にまで伸びる月明かり。
陛下の言葉に、自然と私は笑みが零れた。

いつの間に……こんなにも、夜が涼しくなったのだろう?
まだ残暑が残る昼間と違い
冷たい夜気に首をすくませた。

「ああ……ごめん。
寒いよね。
もう、窓を閉めるよ。「待って……」」

「せっかくの美しい月。
もう少しだけ、陛下と見ていたいです。」


…………
……………………


その言葉に、ふわりと微笑む気配。

近付く陛下が、寝台の私の隣へと滑り込む。
寝台で寄り添い
ぴったりと陛下は、身を押し付けてきた。

「寒くない? 夕鈴。
これなら、二人とも温かいね」

「はい」

寝台で二人。
真夜中に、窓から見える美しい月を見上げた。

今宵、貴方のぬくもりの中で……

……続く



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  • 2014年09月13日 (土)
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