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1 本誌沿い 狼陛下の花嫁 誘拐事件

IF【臨時花嫁】29 さくらぱんcolor

「金貸しくんの邪魔?

……ああ、そういえば」

「金貸しくん。
王宮で行方不明になった夕鈴が、
ココ(下町)に居る説明をしてくれないかな?」

今まで、几鍔など眼中に無かったといった風に、
李翔は初めて几鍔に興味をしめした。

「几家の女家長が、行方不明と聞いてる。
……もしかして几家は、脅されたか?」

「王宮に信用ある几商店が、
(王宮)御用達の資格を剥奪されかねない大問題だね。」

「~~~~っ。
オイ、何が言いたい」

「王宮の禁域と言われる場所から、夕鈴が消えた
君たちが、実行犯なのだろう?」

「こうも鮮やかに、夕鈴を連れ去って……
まさか、下町に居たとは私も驚いたよ」

「王の妃が住む禁域から、
彼女が連れ出されたこと、君が思うより罪が重いってこと知ってるか」

「夕鈴が、報告したんですか?」

「いや……彼女からは、何も聞いていない。
私を頼らないところは、夕鈴らしいが……」

「我々がどれだけ心配したのかを
彼女は分っていない。
早く王宮に、連れ戻さないと……」

「でも、金貸しくん。
いろいろと調べはついている。」

「この事件、几商店が絡んでいると
報告は聞いた」

「私の協力をしてくれれば、悪いようにはしない。
協力してくれれば……この件に几商店が係わったという事実は、私の胸にしまおう。

几家を脅している奴は、誰だ?」

静かな語り口だが……否やを言わせぬ物言い。

「あんた、いったい誰なんだ?
本当にただの役人なのか?」

底の知れない情報力と分析力で、
すでに几家は王宮から目を付けられていることを几鍔は知った。

「王宮としても、禁域で誘拐事件が起こった醜聞など知られたくない。
この件は、穏便に済ませたいんだ」

几鍔の質問には応えず……冷酷無比な赤い瞳が、几鍔を見据えた。

まるで、蛇に睨まれた蛙の気分。
――最悪だった。

こちらの質問は一切通らず、一方的に筋書きがもう出来ていた。

“王宮御用達の店の誇り”が、几商店にまだあるならば……“協力してほしい”
柔らかな物言いながら否やは言わせない、こちらは素直に応えるしかない。

几鍔に、考える時間は必要無かった。
ただ、素直にコイツに返事が出来なかった。

「アイツは、やっぱり本物のお妃さまの身替わりの仕事をしているんですか?」
「知ったからには、アイツはこの仕事を辞めさせます」

「彼女は、王宮に連れ帰す。
もう王宮に無くてはならない存在だ。
王宮に返してもらう」

「その為には、この事件を解決しなければ、夕鈴は帰らない。
わざわざ自分から危険に飛び込んでいくような娘だ」

「君にしたって、幼なじみを危険な目にあわせたくはないだろう?
夕鈴の幼馴染だから、協力すれば見逃してやる。
そちらにとって、悪い取引では無いと思うが……」

冷ややかな雰囲気を纏いつつ、李翔は譲らない。
こちらも譲る気はなかった。

“夕鈴を王宮に戻したくない”

几鍔は、禁域から夕鈴を連れ出した後ろめたさもあり、強く言えない。
…でも当初の予定と狂い“狼陛下の唯一無二の妃”ではなく“自分の幼なじみの夕鈴”を下町に連れ戻しただけだ…

何故こんなにもコイツは、夕鈴にこだわるのだろうか?
夕鈴が、無くてはならない存在?
幾らでも換えのきく、ただの掃除婦だろう?
本物のお妃様じゃあるまいし。

――アイツは俺に、本物のお妃の身替わりだと言ったんだ。
アイツが俺に嘘なんてつかねえ……
俺は、それを信じる。

こんな奴を信じて、王宮に連れ戻されたら
またアイツは俺の目の届かないところへ、行っちまう。

アイツは、俺が面倒みないと……
正義感が強くて
馬鹿みたいにお人よしで
自分のことより、他人のことに心砕いて……

自分だって、大変なのによ!
さっぱり俺の言うことを聞きやしない。
今だって……


キッ……と、片目だけの薄茶の瞳で、目の前の李翔を睨みつけた。

コイツは、はじめから気に入らねえんだよ。
いちいち夕鈴の奴、コイツを庇いやがって……

貴族なんかが、アイツをまともに相手するかって……

……馬鹿な女だよな。
結局、痛い目に遭わないと分からないらしい。

傷が浅いうちに、オレがなんとかしてやんないと……
几鍔は、瞑目すると…あきらめたような重い溜め息を吐き出した。

「オイ、金貸しくん。
聞いてる?」

物腰は柔らかく…
しかし、意志を曲げることを知らない“李翔”と名乗る男の言葉が、几鍔の癇にいちいち気に障る。

几鍔は、目の前のコイツのことが大嫌いだった。

……続く
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