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3 電球陛下 電球陛下

電球1 【桜の宴】 さくらぱんcolor

ここは、白陽国の後宮の四阿。
桜も美しく咲き乱れ、今を盛りに美しくも艶(つや)な姿を見せていた。
夕鈴は夜桜を、陛下と楽しむために 二人だけの宴の準備を進めていた。


「お妃様、桜を照らす灯火の数は
足りてますでしょうか?
位置はよろしいですか?」

「そうねぇ・・・もう少し数が欲しいわね。
あの遠くの一番見事な桜まで
灯火を増やしてくれませんか?」

「承知いたしました。」

「お妃様、お料理の準備が整いましてございます。
酒盃は、どれをお使いになられますか?」

「せっかくなので、大降りの朱の漆の酒盃を使いましょう。」

「お妃様、滞りなく宴の準備が出来ました。」

「……そのようですね。
みなさん、ご苦労さまでした。……」

「あとは、陛下を待つばかりですね。」

「はい。
……ですが、その前にせっかくの宴です。
お召し替えをなされてはいかがでしょう。」

「このままでは、いけませんか……」

「せっかくの宴です。
少しでも、お妃様の可愛らしい美しさが引き立つ衣装をご用意いたしました。」

「春らしく軽やかな装いで陛下をお出迎えくださいませ。」
きっと、陛下もお喜びになるかと思います。」

「是非とも、お召し替えを」

「わかりました。
では、陛下の為に着替えましょう。」





しばらくして

小さな金の鈴が連なる房飾り……

しゃらしゃら…と春の夜に、雅やかな鈴の音が静かに鳴り響く

いつの間にか、夜も更けて
見上げれば、春のおぼろ月。

煌々と照らされた桜は、炎の色を鮮やかに照り返して、薄紅の色を濃くして輝く。

正に宴に相応しい春の宵であった。

小さな桜花を模した鈴を震わせて、傍らの侍女に夕鈴は問いかけた。

「少し派手な装いだと思うのだけど…」

「いえ……お妃様。
とてもお似合いですわ。
陛下もさぞや、お喜びになることでしょう!!」

蜻蛉の薄羽根を重ねたような軽やかな衣装は、
内側に衣を重ね・・・・淡く桜色に暈した衣装。

ようやく春らしくなったとはいえ、まだ夜は肌寒い。

大胆に両肩を出した衣装を、夜風に膨らむショールを引き寄せながら
夕鈴は、眉をひそめた。

ほんとうに、喜んでくれるのかしら?

「風がでてきたわ…陛下はまだかしら?」



――その時。

きゃあ!

「待たせたな、夕鈴。」

背後からギュッと、誰かから抱きしめられて、夕鈴はびっくりした。
手に持つ扇が滑り落ちる。

大きな手で、両肩を抱えるように抱きしめられて… 振り向くと
愛しい夫の姿。

いつもなら、光輝く電球の灯ですぐに分かるはずなのに…
今日はまったく気付けなかった。

煌々と桜を照らす、灯火の灯り

その眩く幻想的な光に気を取られて、陛下の到着に気がつかなかったのである

「陛下いつ、こちらへ」

「たった今だ!」

「夕鈴、今宵は美しいな…まるで、桜の精のようだ。」

「恐れいります…」

つい…と頤(おとがい)を捉えられて、上向かされた…

その瞬間、

リリンッ…

と、涼やかな音を立てて…夕鈴の耳飾りが外れた。

「…あっ!」

甲高い音をたてて…床に落ちた耳飾り。

陛下の手を振り払い、耳飾りを取ろうとした夕鈴を、陛下が止めた。

「私の責だ。私が取ろう。」

「では、お願いいたします!」

光る頭で、床に落ちた扇と耳飾りを探すと、すぐに見つかり夕鈴に手渡した…

ところが、繊細な細工物。

床に落ちた衝撃で、扇の柄飾りの美しい紅玉が無かった!

「陛下、近くに落ちてませんか?」

青ざめながら、夕鈴は、陛下に懇願した。

備品を壊したら、借金が増える。

屈んだ陛下が呟いた。

「見つからないなぁ・・・・ちょっと、ごめんよ……夕鈴。」

ぎゃあっっ!!!

陛下は、夕鈴のスカートの中へと頭を入れた。

「よく、見えないな・・・・」

カッ・・・!!!


うぁっ・・//////。

や・・やめてください。

慌てた夕鈴の声も虚しく
陛下は1000wの光で、スカートの中を明るく照らしだす。

たちまち薄羽の布がまるで、提灯のごとく明るく光った。

夕鈴の腰から下のすらりとした脚線美も、陛下の姿も影絵のごとく映りこむ
薄紅の夕鈴提灯。

恥ずかしくて夕鈴はスカートを押さえるものの・・・
もちろん、そんなものは、何の役にもたたない。

傍仕えの侍女たちは、使えるべき主の辱めに頬を染めて両手で顔を隠した。
失礼のないように・・・

あっっ・・・やだっ・・・

陛下、やめてください。

「・・・夕鈴」

そんな夕鈴に、気を良くした陛下が足を撫ではじめた。

最初、遠慮がちの手つきは、だんだんと大胆に。


・・・はぅ!!!

へいっ・・・・陛下ぁ、まじめに探してくださいっ。


目を塞いでいても、焦る、主のうわづる甘い声は聞こえてきて・・・
ますます侍女たちは、頬を染めて恥ずかしがる。


いゃぁぁんっ!!!

もう夕鈴は、何にどきどきしているのか、分からない。

だんだんと遠慮のない陛下の手は、上へ上へと這い上がる。

「いい眺めだよ、夕鈴。」

「暖かいし、とってもいい匂い・・・・」


ブチッ・・・・

夕鈴の中で何かが、切れた。

「陛下のヘンタイッッ!!」

ガツン・・・強烈なウサギキックが炸裂した。

そのまま・・夕鈴は後ろを見ないで、後宮の自室へと駆け出した。


もう、宴どころじゃない。
なにもかも、台無しだった。






夕鈴が消えて、ひとりうずくまる陛下に・・・
追い討ちをかけるように


・・・・・ぱりん。

乾いた音をたてて、電球が割れた。

一人うずくまる
灯りの消えた割れた電球に
庭の桜が美しく映し出されていた。





桜の宴 おしまい。

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  • 2014年03月28日 (金)
  • 16時21分27秒
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