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2 李順の休暇

【IF臨時花嫁】李順の休暇 1

「では、私明日から一週間、休暇をいただいておりますので」

おもむろに李順が口を開いた。

「いいですか、陛下。私がいない間、ちゃんと、政務を行ってくださいね!周宰相にもお話ししておりますが、夕鈴殿も、くれぐれも!よろしくお願いします」

「はいっ」

夕鈴は神妙な顔つきー、と本人が考えているだけの、几鍔に言わせると変な顔ーーで応える。

「いいですか。これが陛下の一週間の予定表です」

言いながら李順は夕鈴の前に1枚の紙を出した。

「方淵殿にも同じものをお渡ししております。もし、陛下が逃げ出してきても、ここに書いてある時間には政務室に戻すように、くれぐれもお願いしますね!」

「はいっ!」


「張り切ってるな、我が妃よ」

ひょいと後ろから黎翔が紙を覗き込みながら言う。

「李順…これでは私が妃と過ごす時間が少なすぎるではないか!」

夕鈴も紙を覗き込むと、予定が一週間分、半刻単位でしっかりと書き込まれている。

「何故ですか!ちゃんと夕餉の後には妃私室へ行く時間が週に3回も設けられているではないですか!充分です」

「そうですよ!お仕事ぎっちりみっちり!良いことです!!」

二人に言われ、一旦黎翔は口を噤んだ。

「あと、私が不在の間の側近としての仕事は方淵殿にお任せしております。なにかございましたら、そちらへお願いしますね」

「わ、わかりました!」

夕鈴は意気込んで応える。

「方淵…か。全く、面倒そうな奴に任せるものだ。私が休む時間がないではないか」
「陛下っ…!方淵殿は政務に真面目な素晴らしい方ですよ?」

夕鈴は無意識の上目遣いで黎翔に言う。

「妃がそう言うのではしかたない」

「では、そういうことでよろしくお願いします」

*

次の日ーー。

夜明けすぐごろ、黎翔がやってきた。

「ゆーりん」

「へーか?」

夕鈴はまだ夜着のまま、眠い目をこすりながら答える。

「朝からどうしましたか?」

「うーん、今日は夜、会えないみたいだから、きちゃった!!」

「一緒に朝ごはん!食べようと思って!」

もそもそと夕鈴が布団から起き出すと、寝台の外は肌寒く、夕鈴の手足は、わずかに震えた。

「あ、ゆーりん寒いよね。着替えよっか?手伝ってあげる!」
「えっ!陛下!ちょっと!!着替え手伝うなんて、私お嫁にいけなくなっちゃいます!」
「ゆーりんは僕のお嫁さんでしょ?」
「バイトですよ!バイト!!」
「すぐにっ着替えるのでっ!!陛下隣の部屋行っててください!セクハラですよ!」

夕鈴は小犬を力の限りグイグイと隣の部屋へ押し出した。

「ふぅ。朝からびっくりしたー。李順さんいないからって陛下、自由過ぎじゃない?私が気合いれないと、李順さんに怒られちゃう!」

夕鈴は1番着替えの楽な衣装を選びさっさと着替え始める。

隣室に押し込められた黎翔は、先ほど見た夕鈴の夜着姿が目に焼き付いて離れなくなっていた。

ゆーりんちょっと寝起きで服が乱れてて、色っぽかった…。

ていうか今、隣で着替えてるんだよね?ちょっと見たいなぁ…。あ、今布が落ちる音がした。

思わず扉側に一歩近づく。

でもでも、覗いたりしたらまた女ったらしとか、言われて逃げられちゃうかも。

でも!やっぱりちょっと…。

黎翔はまた扉側に向けて一歩踏み出した。

「陛下ー着替え、終わりましたよ」

おもむろに扉が開く。

「あれ?陛下なんでこんな扉のそばにいるんですか?!」

危ないあぶない。

「いや、女の子の着替えって時間かかるんだねー。まだかなーって思って」

「そうですか?1番簡単なの選んだし、そんなに…」
「ほら!僕!結構一瞬だから」

「そういえば青慎は早いですね。1番簡単とはいえ、これも下町衣装よりは複雑ですし…。朝餉にしましょう」

よかった…。夕鈴誤魔化されてくれた。

「ああもうこんな時間!急いで食べないと朝議の時間がだいぶ近いです!」
「そうだね」

あわただしく二人で朝餉をとり、僕は朝議へ向かう。

「では、妃、明日まで会えないのは辛いが今朝の愛らしい姿で我慢しよう」

うん。あのちょっと寝乱れた姿を思い浮かべれば1日元気がでそうだよ。これは言わないけど。

「いってらっしゃいませ陛下。お仕事頑張ってください」

僕は夕鈴の腰を攫い、絶対にこんなに近寄せる必要ないだろうというほど顔を近づけ、赤く火照る夕鈴を堪能する。

「では、いってくる」

「頑張ってください…陛下」

そんな小さな声が後ろから聞こえた。


つづく
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  • 2014年04月03日 (木)
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